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食品表示作成基本手順

本ページでは、「加工食品を生産販売する立場となったがそもそも食品表示って何?」という疑問をお持ちの方を念頭に、”食品表示作成の基本的な手順”についてご紹介します。 なお、”食品表示関連主要法規は別ページに記載しています。
ここで記載した手順は「容器包装に入れられ消費者に販売される加工食品〔一般用加工食品(※1)〕」における基本的な流れであり、各手順で記載する内容も基本的なものです。 実際は各種条件を考慮しさらに調査確認作業など行い、より的確な表示とするべく作成作業を進めます。 ​本ページ記載内容は平成28年10月時点のものであり逐次更新していきます。 本記載内容に追記すべき項目や訂正すべき項目(誤解を生じる可能性のある表現)、わかりにくい記述などありましたら、お問合せページからお知らせください。
​※1:本分類名は”食品表示基準”で示されるものです。
”基本的な”食品表示作成手順について解説します。 作成の過程においていくつか法規を参照しますが、それら法規の概要と最新法規への参照〔リンク〕を本ページの”食品表示関連主要法規”に示しますので、ぜひ実際に参照してみましょう。 食品表示に関しては、とくに”食品表示基準”に厳密に規定がなされていますので、食品表示を自作される際は、”食品表示基準””食品表示基準Q&A””食品表示基準について”などに可能な限り一通り目を通しておく必要があります。

 

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①原材料情報収集

​製品の直接の原材料すべて〔生鮮食品/加工食品/添加物〕の情報を仕入れ先から入手します。
1.生鮮食品

”産地証明書”を入手します。

証明書には”品名””産地””生産者””証明書発行責任者”などの情報が記載されます。

  • 使用する生鮮食品の仕入れ先が変わった場合など表示内容が変化することがあるため注意します。

2.加工食品/添加物

”商品規格書”を入手します。

規格書には”品名””原材料情報””含有アレルギー物質”ほか多くの情報が記載されています。

  • 可能な限り”配合仕様書”まで入手します。

  • 同一品目の場合でも、仕入れ時期によって内容が異なる場合があるため注意が必要です。

  • 自社商品の納入先により起源となる原材料まで提示するよう求められる場合があります。 そのような場合、仕入れ先にさらに追加の情報提示を求めることがあります。

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②配合仕様書作成

​入手した原材料の情報をもとに”配合仕様書”を作成します。
ここでは作成の際の要点を記します。
商談の際バイヤーから”商品規格書”の提示を求められる場合がありますが、その際”配合仕様書”まで提示を求められることもありますので、その観点からも正確なものを作成しておく必要があります。
但し、”配合仕様書”は加工食品製造業者にとって営業機密でもあるので、実際にバイヤーに提出するかどうか、提出の場合もどこまで厳密なものを出すかなど個別の判断(交渉)になるかと思います。
〇作成の要点
1.製品の直接の原材料〔生鮮食品/加工食品/添加物〕を重量順
 (重たい順)に配列
各原材料について最低限以下情報を記載します。
各原材料の一般名称(商品名ではありません)/生産地(生鮮食品の場合原産地、加工食品や添加物の場合製造地あるいは加工地)/配合重量(液体の場合体積ではないため注意)/遺伝子組み換え情報(生鮮食品)/含有アレルギー物質情報(一般的に表示推奨品目まで記載します)/用途名や一括名(添加物の場合)/表示免除理由(添加物の場合)/日本食品標準成分表に記載された品目名(栄養成分分析が行われていない場合、本値をもとに栄養成分計算します)
​原材料となる加工食品について可能な限り3次原材料まで上記と同じ情報を各食品内訳として記載します。
各原材料の重量比を算出し記載します。
  • 製品製造時使用する”水”は通常”製品原材料”に含めませんが、栄養成分算出などの際に参照する可能性もあるため、弊社では”配合仕様書「”に”水”の投入重量」と「最終製品重量」の各情報を含めています。

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③製品名称(分類)決定

​”食品表示”のなかの”一括表示”に記載される”製品名称”を確定させます。 その過程で”一括表示”に記載される項目も決定されます。 言い換えれば、”製造時意識すべき製品特性が明確になる”ということでもあります。
〇決定する際の要点
1.”公正競争規約”に自社製品該当品がないか確認
”公正競争規約”とは、いろいろな業界が不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に基づき景品類の提供や広告表示の内容などに関し規定する自主ルールです。
いくつかの食品について”公正競争規約”があり表示規定もありますので、自社製品が該当すればそれに従うべきです。 現在の”公正競争規約”については本ページの”食品表示関連主要法規”から参照可能です。
  • 実際に参考にする際は各組織に参照する旨いったん確認を取ってください。 注意点などの情報が得られる可能性があります。

2.”公正競争規約”以外の業界自主規制に自社製品該当品がない
 か確認
”公正競争規約”に自社製品該当品がない場合の措置です。 例として”一班財団法人日本冷凍食品協会”があげられます。 表示に関し参考になる規定がなされている場合があります。 こちらも弊社として確認できたところを本ページの”食品表示関連主要法規”から参照可能です。
実際に参考にする際は各組織に参照する旨いったん確認を取ってください。 注意点などの情報が得られる可能性があります。
.”食品表示基準”に自社製品該当品の規定がないか確認
”公正競争規約”に自社製品該当品がなく、ほかの業界自主規制もない場合の措置です。 ”食品表示基準”は”食品表示法”の内閣府令であり、食品表示に関して具体的な指示が記されています。 この”食品表示基準”の中には、加工食品の一部について名称と定義および食品表示として標示すべき項目などが規定されています。 自社製品に一致するものがないか確認します。
もし一致するものがあれば、ここで名称及び製品として備えなければならない条件、食品表示の項目が確定します。 例えば、自社製品が”農産物かす漬け類であって、農産物を細刻したものに水産物を加えたものを、酒かす等にからし粉、粉わさび等を加えたものと練り合わせて漬けたもの”の場合、名称は”山海漬け(刻み)”と表示することと規定されています。
  • よくわからない場合は独自の判断はせず、必ず最寄りの保健所や消費者庁に確認を取ることが大事です。

4.一般的な名称であるか確認
”公正競争規約”や”業界自主基準””、食品表示基準”に自社製品該当品がない場合の措置です。自社製品の名称を確定させるにあたり特に規定がない場合一般的な名称を付与します。 一般的な名称とは「”社会通念上一般化した名称”すなはち”誰でも理解が容易である一般的名称”である」とされています。 名称候補としては、”食品表示基準”に規定された”加工食品”の一覧”や、”日本標準商品分類”、”日本食品標準成分表”が参考になります。
  • よくわからない場合は独自の判断はせず、必ず最寄りの保健所や消費者庁に確認を取ることが大事です。

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④栄養成分表示原案作成

​2015年4月に施工された”食品表示法”では、加工食品および添加物に関し”栄養成分表示”が基本的に義務化されました。 ただし、必ずしも製品の栄養成分分析を行う〔分析値を求める〕必要はなく、”日本食品標準成分表”などの公的データべース値をもとに算出したり〔計算値〕、同じく公的データベースの類似製品の値を用いたり〔参照値〕、分析値や計算値、参照値を併用した結果〔併用値〕の表示も、根拠とした情報の保管と栄養成分表示への根拠情報併記することで可能です。 また、従来の”ナトリウム量”が”食塩相当量”に変更になっていますので注意が必要です。
”食品表示法”では”機能性表示食品の制度”が創設されました。 この制度は、”特定の保健の目的が期待できる旨を科学的根拠に基づいて容器包装に表示することを認めるもの”であり、届け出制「特定保健用食品(トクホ)のような国の審査不要」となっています。 製品によっては同様の他社製品に対し優位性を持たせることができる制度となります。
〇栄養成分表示内容決定の手順
栄養成分表示に関し特に特定栄養成分の強調表示などを行う場合を除く一般的な食品における栄養成分表示に関しては、”消費者庁食品表示企画課”から”食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン”発行されており、そこに食品関連事業者が栄養成分表示を行う上で必要とされる前提・規則・技術的手順等が詳しく記載されていますので、実際に作業する際は本ガイドライン記載の手順に従います。 計算例は少々複雑なため、ここでは説明を省略します。 また、本ガイドラインで栄養成分記載の文献として例示される”日本食品標準成分表”について、2016年10月時点で最新版の”日本食品標準成分表2015年版(七訂)”は、その内容がexcelやpdfの形でWeb上で公開されており、書籍購入などの必要なく情報参照できます。
計算例の紹介をご希望の場合はお問合せページからご要望ください。 後日追記いたします。
【参考】
栄養成分の強調表示を行う形態として以下のようなものがあります。
例:特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品など

⑤一括表示原案作成

”③製品名称(分類)決定”と”②配合仕様書作成”の結果および”計量法”、”リサイクル法”などから一括表示の原案を作成します。 一括表示作成に当たっては、”食品表示基準”の中に製品や原材料の特性に応じて多くの規定があり、補足する説明書として”食品表示基準について”や”食品表示基準Q&A”など消費者庁から発行されています。 これら資料の十分な読み込みが必要であると同時に、不明な点は必ず最寄りの保健所や消費者庁に確認を取る必要があります。
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〇各表示項目の要点
右の例は全加工食品に共通な表示項目で構成される一括表示の例です。 ”③製品名称(分類)決定”で決定した加工食品の内容により表示項目が追加される場合があります。 例えば”乾めん類”など”調理方法”の表示が必要になります。 また、”食品表示基準”では加工食品の品目により表示内容が細かく規定されていますので、自社製品の品目に相当する表示項目についての十分な確認が必要です。 ここでは、全加工食品に共通的な表示項目について見てみます。
 
1.名称を決定する
”③製品名称(分類)決定”で決定した名称を記載します。 名称右にカッコ”()”付きで商品名の併記も可能です。
2.原材料名を作成する
”③製品名称(分類)決定”名称を決定する際確定した品目対応の表示基準(公正競争規約や食品表示基準で規定された表示内容)に従い記載します。
”食品表示基準”では旧法と異なり、基本的に添加物以外の原材料を”原材料名”の欄に、添加物を”添加物”の欄に分けて重量順に表示します。 ただし、旧法の表示フォームに準じて原材料名の欄に、添加物以外の原材料を重量順に、続いて添加物を重量順に記載し、境界を”/”や”改行”で分る標示でもよいことになっています。
また、原材料の生鮮食品に関し、漬物など品目によっては主要なものについて”原料原産地”の併記が必要となります。
添加物以外の原材料の中に遺伝子組み換え食品が含まれていた場合、その旨表示が必要となる場合があります。
​添加物以外の原材料中加工食品については、重量順などの条件で二次原材料(原材料の原材料で添加物を除く)の表示が必要となります。
添加物は基本的に含まれるものすべて(二次原材料以降含めすべて)を列記します。
添加物は”L-アスコルビン酸”あるいはその簡略名として認められる”V.C”など基本的に物質名を記載しますが、使用目的により”甘味料”など”用途名”併記が必要であったり、”香料”など”一括名”のみの表示で個別の名称表示不要なものがあったりします。 また、加工助剤〔最終製品に含まれないものなど〕、キャリーオーバー(最終製品で効力を発揮しないもの)、栄養強化目的のものの表示は省略できます。 ただし、品目によっては栄養強化目的のものについて表示を求められますので注意が必要です。
製品に含まれるアレルギー表示対象物質は添加物に含まれるものも含めすべて表示します。 表示対象アレルギー物質は逐次追加されていきますので注意が必要です。 参考までに平成28年10月時点でのアレルギー物質を以下示します。
表示義務
 卵、乳、小麦、落花生、えび、そ ば、かに
表示推奨
 いくら、キウイフルーツ、くるみ、 大豆、バナナ、やまいも、カ シューナッツ、もも、ごま、さば、 さけ、いか、鶏肉、りんご、
 まつ たけ、あわび、オレンジ、牛肉、 ゼラチン、豚肉
【注意点】
当たり前のように感じる”加工食品”と”添加物”の区分ですが法規上取り扱いが変化する場合があります。 また、表示すべきアレルギー物質も逐次見直しがおこなわれています。 法規情報の定期的な確認が必要です。
加工食品から添加物に変更の例:加工デンプン〔平成20年10月〕
表示対象アレルギー物質追加の例:”カシューナッツ”と”ごま”〔平成25年9月〕
【参考】
原材料が一種類のみのものについて原材料の表示を省略できる場合があります。
3.内容量の表示内容を決定する
内容量は”食品表示基準”において”内容重量、内容体積又は内容数量”で表示することとなっています。 ただし”計量法”において、品目によっては”特定物象量〔食品の場合体積や重量〕での表記が必須”となっているものもあり、その場合”内容数量”の表記のみでは違法となるので注意が必要です。 計量法で”特定物象量〔食品の場合体積や重量〕での表記が必須”となっているものの例として”茶、はちみつ、ソース、バター、チーズ”などがあげられます。 また、内容物が固形物と充てん液に分離できる缶詰・瓶詰など、内容量〔内容重量、内容体積又は内容数量〕に代えて”固形量”と”内容総量”を表示しなければならない品目があります。
【参考】
内容量を外見上容易に識別できるものについて内容量の表示を省略できる場合があります。
4.期限表示〔賞味期限あるいは消費期限〕の表示基準と表示方法〔年月日/年月〕を決定する
賞味期限、賞味期限それぞれについて消費者庁から以下のように定義されています。
賞味期限:定められた方法により保存した場合において、期待され るすべての品質の保持が十分に可能であると認められる 期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場 合であっても、これらの品質が保持されていることがあ るものとする。 対象食品としてはスナック菓子、カップめん、缶詰など
賞味期限:定められた方法により保存した場合において、腐敗、変 敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるお それがないと認められる期限を示す年月日をいう。 対象食品としては弁当、サンドイッチ、惣菜など
自社製品を上記定義に照らし合わせどちらの期限表示とするか決定します。
期限決定に際し厚生労働省と農林水産省共同発行の”食品期限表示の設定のためのガイドライン〔平成17年2月発行〕”を参考にします。
基本的に業者に依頼し”理化学試験””微生物試験””官能検査”を行い、安全係数をかけて具体的な期限を求めます。
期限表示は”年月日”記載が基本ですが、賞味期限に関し製造あるいは加工の日から賞味期限までの期間が三ケ月を超える場合”年月”表示も可能となっています。 ただし賞味期限日がその月の末日以外の場合前月表示となるので注意が必要です。
例:賞味期限 平成28年11月30日→平成28年11月、賞味期限 平成28年11月29日→平成28年10月
【参考】
”チューインガム”、”砂糖”、”食塩”など品質の劣化が極めて少ないものについて期限表示省略可能なものもあります。
5.保存方法の表示内容を決定する
保存方法は”「保存温度10℃以下」、「4℃以下で保存」などのように、流通、家庭 等において可能な保存の方法を、平易な用語をもって表示すること”とされています。 本要件に従い、自社製品の特性に応じた保存方法の表示内容を決定します。 なお、保存方法については”食品、添加物等の規格基準”で保存方法が規定された食品がありますので、それらについてはその保存の規定を順守するとともに、表示においてもその保存方法を記載することになります。
【参考】
”チューインガム”、”砂糖”、”食塩”など品質の変化が極めて少ないものや、常温で保存すること以外にその保存方法に関し留意すべき特段の事項がないものは、保存方法の表示を省略できます。
6.事業者情報の表示内容を決定する
”食品表示法”において”表示すべき事業者情報”として、基本的に”食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者の氏名又は名称及び住所”と”最終的に衛生状態を変化させる製造又は加工を行った事業者〔製造者又は加工者〕の氏名又は名称及び住所”を記載することとしています。 特に、”食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者”と”最終的に衛生状態を変化させる製造又は加工を行った事業者〔製造者又は加工者〕”が同じ場合後者の表示を省略できることとなっており、その形態の表示〔製造者表示のみ〕が多く見受けられます。
【注意】
旧法では一括表示の表示面積への配慮で、”食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者が製造者以外”でかつ”食品関連事業者のうち表示内容に責任を有する者が製造者”の場合について”製造者と製造所の組み合わせ”で”製造所固有記号”により表示することが可能でしたが、”食品表示基準”では”同一製品を複数の製造所で製造する場合”のみ”製造所固有記号”の使用が可能となると同時に、以下のいずれかの情報の表示も必要となります。
①製造所の所在地又は製造者の氏名若しくは名称の情報の提供を求められたときに回答する者の連絡先
②製造所固有記号が表す製造所の所在地及び製造者の氏名又は名称を表示したウェブサイトのアドレス(二次元コードその他のこれに代わるものを含む。)
③当該製品を製造している全ての製造所の所在地又は製造者の氏名若しくは名称及び製造所固有記号
​なお、製造所固有記号は製造者の場合のみであり、加工者には適応されません。
【参考】
製造と加工の具体例について”食品表示基準Q&A”に記載されていますので、判断がつかない場合はそれを参考にします。 また、それでも明確に判断できない場合は、最寄りの保健所や消費者庁に問合せ確認をとることが大切です。
7.欄外表示内容を決定する
製品に関し消費者へ伝えるべき事項があれば欄外に記述します。 代表的なものに”開封後は消費期限などにかかわらず早期消費すべきこと”の記述や”コンタミネーション情報”の記述などがあげられます。 加工食品における”コンタミネーション”とは、”食品生産の際に原材料として未使用のアレルギー物質が微量混入してしまう場合”のことです。 具体例は下記【参考】に記載します。 また、リサイクル法で規定された包装や容器に関する情報〔紙・プラなどの識別表示〕も欄外に記載します。 この表示は義務化されておりマーク〔紙マーク・プラマーク〕のサイズまで規定されています。 ほかにも製品に関し強調表示したいところがある場合など、”食品表示基準Q&A”に具体例が示されていますのでそれを参考に表示内容を検討確定させます。 特に強調表示したいところなど表現によっては”景品表示法”に抵触する場合もあるので記載内容について十分注意すると同時に、曖昧なところはその遵法性や表示可否について必ず最寄りの保健所や消費者庁に問合せ確認することが重要です。
【参考】
コンタミネーションの表示例を示します。
○同一製造ライン使用によるコンタミネーション
・「本品製造工場ではそばを含む製品を生産しています」 
○原材料の採取方法によるコンタミネーション
・「本製品で使用しているしらすは、かにが混ざる漁法で採取しています」
○えび、かにを捕食していることによるコンタミネーション
・「本製品で使用しているイトヨリダイは、えびを食べています」

⑥包装表示内容確認

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製品を包装する包装紙や容器に記載される画像や絵、文章など、一括表示以外の部分の遵法性を確認します。
〇包装表示内容確認の要点
食品表示作成にあたっては”食品表示基準”で規定される”一括表示”だけでなく、包装全体の記載文や写真イラストなどについても”景品表示法”や”不当競争防止法”に抵触しないことを確認しておく必要があります。
【注意】 
”食品表示基準”では、食品により一括表示以外の表示についても規定が有る場合があるの注意します。 例えば、トマト加工品”にいて”濃縮トマト還元”の用語を用いる場合、”商品名の表示されている箇所に近接した箇所に、日本工業規格Z八三〇五(一九六二)に規定する14ポイントの活字以上の大きさの文字で表示する”との規定があげられます。

⑦食品表示内容確定

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”④栄養成分原案作成”と”⑤一括表示原案作成”で作成した表示案の内容を、包装や容器の形状やサイズに合わせ”⑥包装表示内容確認”で確定した内容(デザイン)と絡めて調整し、食品表示内容を確定させます。
〇食品表示内容確定
”一括表示”や”栄養成分表示”の表示文字のサイズや各項目の表示位置および表示項目は、包装全体の形状や全体の面積などの条件である程度調整が可能です。 最後にこの”一括表示”や”栄養成分表示”の文字サイス決定、表示項目と表示位置調整などを行います。
 
1.一括表示および栄養成分表示の文字サイズ決定
表示に用いる文字は、日本工業規格Z八三〇五(一九六二)に規定する8ポイントの活字以上の大きさが必要です。 ただし、包装全体や容器全体の総面積(表示可能面積)がおおむね150㎠以下のもの及び印刷瓶に入れられた一般用加工食品であって、表示すべき事項を蓋(その面積が30㎠以下以下)に表示する場合ものにあっては、日本工業規格Z八三〇五(一九六二)に規定する5.5ポイントの活字以上の大きさの文字にできます。
【注意】 
文字サイズは食品の品目により個別に文字サイズや包装容器上の表示位置かで別途指定されている場合があるので注意します。
​例:乳〔一括表示上の項目名が”名称”ではなく”種類別”としなければならず、日本工業規格Z八三〇五(一九六二)に規定する10.5ポイントの活字以上の大きさにする必要があります〕
2.一括表示および栄養成分表示の表示内容決定
容器包装の表示面積がおおむね 30㎠以下の食品については条件付き〔食品により省略不可〕以下項目の表示を省略できます。
例:栄養成分表示、原材料名、添加物、内容量/固形量/内容総量、製造者情報/加工者情報など
3.一括表示および栄養成分表示の表示位置決定
「原材料名、原料原産地名、内容量及び消費期限又は賞味期限を他の事項と一括して表示することが困難な場合には、表示事項を一括して表示する箇所にその表示箇所を表示すれば、他の箇所に表示することができる。」とされています。 ほかに、「消費期限又は賞味期限の表示箇所を表示して他の箇所に表示する場合において、保存の方法についても、表示事項を一括して表示する箇所にその表示箇所を表示すれば、消費期限又は賞味期限の表示箇所に近接して表示することができる。」「第八条第四号の規定に基づき名称を商品の主要面に表示した場合にあっては、名称の事項を省略することができる。内容量、固形量又は内容総量を名称とともに主要面に表示した場合も同様とする。」などの規定のほか、「縦書き表示」も可能であり、「枠線表示困難な場合の枠線非表示」も可能です。 包装容器の形状やサイズに合わせ前記をふまえ調整します。
4.表示内容の遵法性確認
”食品表示基準”記載の規定の中には、製品の特性により”一括表示”以外の表示への追記事項が必要であったり、製品の特長を表現するにあたり一定の基準があったりします。 また、表現の内容によっては”景品表示法”や”不当競争防止法”に抵触する場合がありますので、遵法となるよう包装容器に記載される文章や言葉のみでなく、図や写真についても十分な確認が必要です。
【参考】
”食品表示基準”の一括表示以外の場所への表示の追記事項の例として、”トマト加工品”にいて”濃縮トマト還元”の用語を用いる場合、”商品名の表示されている箇所に近接した箇所に、日本工業規格Z八三〇五(一九六二)に規定する14ポイントの活字以上の大きさの文字で表示する
”との規定があげられます。

⑧商品規格書作成

”①原材料情報収集”から”⑦食品表示内容確定”までの手順を通し、一般消費者へ製品販売するための包装容器に関する準備はできましたが、商談会などにおいてはバイヤーから”商品規格書(仕様書)”の提示を求められる場合が多々あります。 自社内で製品情報を管理するため自社用の”商品規格書(仕様書)”は作成しておくべきですが、商談会への出品に備えて公開可能な範囲の情報をまとめた社外向けの”商品規格書(仕様書)”も併せ作成しておくべきです。
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〇商品規格書(バイヤー向け)作成
社外向け”商品規格書”には、”一括表示”や”栄養成分表示”に記載される情報のほか、”JANコード””納入時の荷姿””NB/PB区分”など、バイヤーへ納入するにあたってバイヤーが求めるであろうその他情報を含みます。 従い、商談会に参加する場合標準的な内容を記載した”商品規格書”を準備しますが、実際に商談を成立させるためには、”PL保険加入状況”などバイヤーが求める(バイヤーが指定する)”商品規格書フォーム”に合わせた記載情報の追加を伴う”商品規格書”の再作も必要になる場合があります。
 
1.標準規格書の準備と作成
​例〔右側の”加工食品規格書例”〕として”2015年6月、平成26年度農林水産省補助事業「標準商品規格書とそのガイドラインの検討会(※1)」で策定された標準規格書”の記載例を示します。 本規格書のフォームは”商品情報授受標準化会議(Product Information Transfer Standard)(※2)”により、現在酒類・加工食品業界での活用拡大に向け普及活動を行うこととしているものです。 インターネットで”標準商品規格書”をキーワードに検索すると”excelフォーム”のほか”ガイドライン”も参照できますので、それに従って作成します。 なお、弊社の食品表示作成代行サービスでは、お客様へヒアリングを行い入手できた情報から”標準商品規格書”の原型作成まで行います。
【参考】
※1:大学教授を座長とし、委員として製造業5社、卸売業4社、外食産業2社、システムベンダー2社、関連団体1団体、オブザーバーとして
   小売業、関連団体、農林水産省が参画した標準商品規格書を策定するための検討会
※2:商品に関する標準的な情報項目と授受方法の策定・普及を目的として、製配販31社が参加する会議体

⑨他商品と差別化するための情報

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自社製品に使用する原材料の特性などに応じ、他社製品と差別化可能となる表示ができる場合があります。 また、差別化を狙って加工食品のレシピ(原材料とその配合比、調理方法、栄養成分強化など)を設計し、目的の表示を添付する場合もあります。 代表的なものを紹介します。
〇代表的な差別化情報
1.品質や特色による製品の訴求
JAS規格、公正競争規約、業界団体による規格、Eマークなどがあげられます。
​JAS規格は農林水産大臣が制定した日本農林規格(JAS規格)による検査に合格した製品にJASマークを貼付することを認める制度であり、①品位、成分、性能その他の品質に関するものとしてJASマーク、②生産の方法に関するものとして有機JASマーク生産情報公表JASマーク、特定JASマーク③流通の方法に関するもののとして低温管理流通JASマークなどがあります。
公正競争規約は景品表示法の規定に基づいて、業界が自主的に定めている景品と表示についてのルールであり、運用機関としてそれぞれ公正取引協議会が設立されています。 公正取引協議会はそこに参加する会員の商品について公正競争規約に従い適正な表示をしていると認められるものに対し、公正マーク貼付を許可します。
公正取引協議会ではありませんが、業界団体として規定を定めている場合があります。 例えば”社団法人 日本冷凍食品協会”の冷凍食品の認定証マーク、日本冷凍めん協会の冷凍めん協会(RMK)認定マークなどがあります
Eマークとは、地域の原材料の良さを活かしてつくられた特産品に都道府県がつける共通のマークです。
2.栄養成分強調による製品の訴求
​栄養成分を強調する食品として、栄養機能食品、特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品などがあげられます。
栄養機能食品とは、特定の栄養成分の補給のために利用される食品で栄養成分の機能を表示するものであり、製品企画の段階でその製品の目的(どの栄養成分を補給するものか)が明確になっています。 表示においては、例えばビタミンC補給目的の製品の場合、”栄養機能食品(ビタミンC)”などの表示やその他法規上規定された文言の表記が必要となります。
特定保健用食品(トクホ)とは、からだの生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中 のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えたりするの に役立つ、などの特定の保健の用途に資する旨を表示するものであり、特定保健用食品として販売するためには、 製品ごとに食品の有効性や安全性について審査を受け、表示について国の許可を受ける必要があります。 特定保健用食品には許可マー クが付されています。
機能性表示食品とは、事業者の責任で科学的根拠を基に商品パッケージに機能性を表示するものとして、消費者庁に届け出られた食品のことであり、特定保健用食品(トクホ)のような製品ごとに食品の有効性や安全性についての審査がありません。 表示においては、例えば酢酸を含む製品の場合、”機能性表示食品”などの表示を行うとともに”酢酸には肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる機能があることが報告されています。”などの期待できる効用の表記が可能となります。
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